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しるべ

小学生の僕はといえば、嘘ばかりついてふがいない。

 

小学生の僕は、自分のことを出来る子だと思われていると思っていました。

知らない事は許されないことだったんです。

できる人間でいなくてはいけないと思っていました。

だから僕は、友だちと話をしていて知らない事があると、知っているふりをするようになりました。知っていると嘘をつくようになりました。無意識のうちに。

 

中学生になると、テストに順位がつくようになりました。

みんなは僕が優秀じゃないということに気づき始めます。

それでも僕の中に深く根を張った虚栄心が消え去る事はありません。

あくまで自分は優秀な人間であるという潜在意識から、分からないことは恥であると、自分を守るために嘘をつきます。

 

 

中学から高校に上がる頃、僕は事実に気づくのです。

自分は平凡以下であること、何も知らないこと、嘘で切り抜けてきた中身は空っぽであること。虚栄心の存在。

 

どれだけ意識しても虚栄心は現れてくることがあります。

 

それから、僕は現れそうになる嘘を圧し殺すたたかいの日々です。

 

 でも、いくら本を読んでも、映画を観ても、何処へ行っても

僕の「無意識の中にある何か」は消えないのです。

 

長年張った根っこは深い。

 

 

知らないことは素晴らしいことです。

知っていることなんて何一つ自慢できる事ではありません。だって知らないことをなくすことなんて出来ないから。

もしもこの世の全てを知ったなら、そんなつまらない世界とはお別れするでしょう。

知ることを止めたらおしまいです。

知っている自慢より知りたい姿勢のほうがダサいです。

でも本当の美しさはドブネズミみたいなものだと思います。

 

おそらく僕はまだ分かっていないのです。

 

 

 

 


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